■2004年2月17日(火)〜2月29日(日)■

2月29日(日) ああ、秋田で4次会               文責:タケ
 睡眠2時間で起床。また仕事かって、いやいや、秋田で開催される酒造体験セミナーに行くのだ。小生は今回で3年連続出場だ。羽田で、このセミナーを15年にもわたって主宰している銀座ル・ヴェールの佐藤さんら参加者一行と合流。お誘いしていた編集Sさんと会って、空港でやけ気味にビールをあおる。秋田空港からバスで市内のホテルへ。夕刻に始まる歓迎会まで3時間のゆとりがある。参加者はハードな夜に備えて仮眠をとったり、土産物を買いに出かけたりしているのだが、小生は残した仕事に追われまくり。宴会開始ぎりぎりになんとか終えて、よかったと息を抜く間もなく、宴に飲み込まれる。2次会、3次会、そして4次会へ。記憶なんかあるわけない。途中からSさんとはぐれ、なぜかFさんに、心配そうに付き添われていたのだけ、かすかに覚えている。

2月28日(土) 追い込まれて午前5時              文責:タケ
 二日酔いの頭をグラグラさせながら自宅へひとまず戻る。母の帰京の日だから今夜は泊まりには行かなくていい。だが、仕事が、どうにも溜まっていてとにかく手をつけるしかない。挙句の午前5時。まだ、終わらず。ビールで腹が膨れていた。

2月27日(金) お前、飲んでるね                文責:タケ
 異様な忙しさが続いていて、昼間も夕方以降も、なんやかやと追われまくる。もろもろ終わったのが21時で場所はコリドー街のすぐ裏手。行くしかないでしょロックフィッシュへ。ンで、行きました。飲みました。遅くなるから寝ておくんだよと言ってはおいたものの、やはりばあちゃんが気になって、突如として席を立ち、急ぎ、帰宅する。ばあちゃん、寝床に入っていたものの、小生が帰宅すると起き出してきて顔色を窺う。何を見ているのかと思っていると「飲んでるね」だってさ。さすがだね。どうも、すみません。

2月26日(木) 深夜、妙にしんみり               文責:タケ
 7時に起きて布団を上げ、風呂に湯を満たしてインスタントコーヒーを飲み、入浴後に新聞を読む。介護のスタッフの方が、ばあちゃんの朝食も用意してくれることになっている。こんなことなら俺が作ってやればよかったかなと思うものの、ばあちゃん、起き出してきたのは、介護の人の到着と同時だった。分かっててやってるのかねえ。着替えも、雨戸を開けることも、しっかりと自分でやれるので安心である。顔見知りの介護スタッフに後を任せて仕事場へ。終日、原稿仕事。夜、またもや駅前でビールとラーメン。帰宅するとばあちゃん今夜は起きていて、母の帰宅予定日を、繰り返し、繰り返し問う。深夜、居間に蒲団を敷いて仕事をしていると、小用に起きてきたばあちゃんが部屋を覗き、ご苦労さんだねえ、と搾り出すような声で言う。そうじゃないんだ。みなさんがちゃんと働いている時間に酒飲んだり、二日酔いしたりしてるから、こういうことになるんだよ。なんて説明するはずもなく、ばあちゃんが部屋へ戻るすり足のその音を聞きながら、なんだかねえ、ひどくしんみりとしてしまうのでした。

2月25日(水) 台湾料理店のニラ炒め・激ウマ         文責:タケ
 我を失ってバカ話に現を抜かし、それでも、その成り行きには心底満足もしてしまって、挙句のパンチドランカー、水道道路フラフラ横断、おいおいいい加減にしとかないと危ないよ、アンタそのうち本当に轢かれちまうよってな状態で、えへへ、無事帰宅したのが前夜のこと。本日は月末を控えて諸々の支払(って酒代ですよ)と資金繰りに朝から脂汗を流す。気が小さいからね。午後はそれでもなんとか気持ちを持ち直してせっせと働き、むずむずとしてくる夕刻、さあて一発飲みに行くかと思いつつ、ハタと思い当たる。本日、実家へ帰る日であった。母が旅行へ出かけたので、90歳を超える祖母が留守番することになっている。実家は小生の棲家とは目と鼻の先だが、一人にはできぬ。だけど、弁当でも買ってまっすぐ帰えりゃ早いのに、なんでかねえ、飲みに行っちまう。駅近くの台湾料理屋。腸詰がうまいよ、ここは。でも本日はニラ炒めでビール。小さい中華麺(温かいヤツ)で締める。ああ、うまいね。人気店だけのことはある。満足して実家へ到着。ばあちゃん、ソファに座りながら居眠り中。年寄りはよく眠る。小生もよく寝ますがね。部屋にはテレビの音が響き渡ってる。小生の到着を訝しげに見つめるばあちゃん。よっこらしょとばかりに立ちあがって何をするかといえば、コップを取ってくる、ビールを取ってくる。つまみは何かないかと冷蔵庫を開けてくれる。メシは食ったからというのに、探し物の手を止めない。そして漬物を出してくれた。糠漬けだあね。これがね、ていねいに糠を守っているからうまいんだ。実にけっこうな晩酌になった。

2月24日(火) はしゃぎすぎ&飲みすぎの反動は?      文責:ナベ
 発送やら次号の構想やらヤフオクのチェックやら何やらやっているうちに、気がつけば夜になっていた。編集部にいると本当に日が暮れるのが早い。まあ、編集部に来るのがだいたい午後1時過ぎなんだから、そりゃそうだ。今夜は、O氏とS氏を蹴散らし、いつもより早い時間に吉祥寺に戻り、某飲み屋へ。某誌でバカ企画がスタートすることになり、午後9時から編集Tサンと打ち合わせすることになっていた。Tサンとはこの飲み屋で知りあい、カウンターで隣り合わせになったときなどに、お互い酔っ払いながらバカ話をしていたのだけれど、まさかそれが本当に企画になるとは……。酔っ払いも捨てたモンじゃない。で、テーブル席に座り、いろいろとバカなネタを打ち合わせしていると、背後のカウンターに一人で座って飲んでいた20代前半の女性が「楽しそうな仕事でいいなあ」とポツリ。いやいや、これはこれでツライんですよ、お嬢さん。とはいえ、普段から、下らないことばかり考えていることから『酒とつまみ』の企画担当となっている僕としては、この仕事もまた、ツラさより楽しさが大きい。その後も打ち合わせしていると、今度は聞き覚えのある声が耳に入ってきた。O氏である。いつのまにか来店していたO氏は、さっきの女の子の隣に座り、やけに楽しそうにバカ話をしていた。そのテンションの高さはいつもの比じゃない。それはもう、女の子を笑わせるのに命がけってな感じで、明らかに我を失っていた。こういうときのO氏の場合、はしゃぎすぎ&飲みすぎによる反動がすさまじい。女の子が帰った後、O氏に声をかけると、「いやあ、もうね、若くて別嬪な娘サンの隣なんかに、たまたま座っちゃうとね、もう何話していいのかわかんなくなってね。黙ってりゃいいんだけど、なんかね、もう、舞い上がっちまうっていうかなんていうかね……」との答え。もはやロレツも回らず、疲労困憊でグッタリ。4杯目のブラディメアリーを飲み干し、会計を済ませて立ち上がったときにはパンチドランカー状態だった。で、ドアの前でO氏を見送ってすぐ、2階にあるこの店の窓から見下ろすとO氏がちょうど井の頭通りを渡っていた。横断歩道のないところで車を軽やかによけながらすばやく渡る。おそらくO氏はそんな感覚だったと思う。そんな顔をしていた。が、もちろんそんなことはなく、足元フラつく酔っ払いオヤジが、本来なら5秒で渡れる道に10秒以上時間をかけ、むしろ車によけてもらいながら大迷惑をかけている図、というのが正しかった。二日酔い確実のO氏ははたして明日編集部に来られるのだろうか。それよりも、無事家に辿り着けたのだろうか。

2月23日(月) 打ち合わせのはずが、いつもベロベロ     文責:タケ
 某週刊誌の若い編集者から、ホッピーマラソンを完走したあなたに、何かホッピーがらみの企画をやってもらえないかという打診あり。嬉しい。嬉しすぎる! しかしその編集者さんはホッピーをよく知らないそうなので、ひとまず一緒に飲みましょうということになり、大久保駅近くの『吾作』へお誘いした。ここは創刊2号のホッピーマラソン連載第2回目で訪れた店だ。カウンターだけの小さな店だが、人気店だけに夕方早くから賑わっている。『酒とつまみ』はおもしろいですよ、ホッピーマラソンもすばらしいと、若手編集者に言われれば、お調子者の性根が黙っていない。7時半までの2時間ばかりで、ぐいぐいとホッピーを飲んでしまうことになった。バカだ。編集者と別れて向かったのが新宿。8時から、小誌「つまみ塾」連載の瀬尾幸子さんと、次回の料理について打ち合わせすることになっていた。カメラのSさん、編集Wクンも合流。東口のライオンでビールをグビグビやりながら、打ち合わせというかなんというか、下地ができていた小生がひとりズブズブと酔っ払っていくだけの宴と化してしまう。瀬尾さんはいろいろとアイデアを出してくださるのに、こっちはもう、よくわかんない状態になっていて、それでも、せっかくお越しいただいたのだからと、ライオンを出てからもう1軒、歌舞伎町入り口近くの『ロック』というバーへみなさんを誘う。角瓶がキープしてあって、それをロックかハイボールにして、またまたデレデレと飲むのである。もはや打ち合わせどころではない。小生はロレツどころか足元まで怪しくなっている。瀬尾さんごめんなさい。とかいいながら、散会後にもう1軒、そう吉祥寺で締めくくったのである。

2月22日(日) 真冬の甲州で日向ぼっこ            文責:タケ
 知り合いに、ちょっと駅前まで用足しに出たまま特急電車に乗って気がつけば信州にいる、なんてことをたびたび行う人がいる。その気分、よくわかる。本日も、なんのあてもなく中央線のホームに立ち、なんの目論見もないまま下り電車に乗ったら、高尾で中央本線各駅停車に何の気なしに乗り換え、気がつけば上野原で降りていた。高校時代、三鷹から学校のある郊外の町へ通っていたが、その頃もたびたび、学校のある駅を勝手に乗り過ごして、猿橋、大月、ときには甲府あたりまでダラダラと出かけた。弁当を持って真冬の昇仙峡をただ歩くだけの日もあれば、大月あたりの街道沿いの町並みを眺めつつ、小さな喫茶店で焼き飯なんぞ食ってまた電車に乗って帰ってくる日もあった。冬枯れの畑の中を歩いて、どこかで少し本を読んで、腹が減ったら何か食べる。それだけのことがしたくて、学校をしょっちゅうサボっていた。ほったらかしの校風が自慢の高校だったので、なんの問題もない。ただ、ときに、帰りの電車の中で練習を終えたサッカー部員と顔を合わせるときなどはバツが悪かった。あれ、お前、今日、休んでなかった? おう、休んでたよ、山梨で……。なに考えてんの? さあね。ちゃんと練習出ろよな……。あのクセがまだ治らない。上野原の駅から1時間ほどブラブラ歩き、少しばかり山へと入っていく。すると、東京の近くにまだこんなに懐かしい風景が残っているかと驚くばかりの、小さな山間の村に行き着いたりする。急勾配で曲がりくねった細道を歩きながら、見晴らしのいい高台へ出れば、畑の中に古い民家が点在する、こぢんまりとした風景が目に飛び込んでくる。空と、山と、畑と家があるだけ。車が通り過ぎると物音もしない。真冬とはいえ、風のない午後で、日溜りがとても暖かい。道の脇のバス停で時刻を調べてみると、1時間ほど後に、駅へもどるバスがあることがわかった。村の中へと足を運び、酒も雑貨も油もお菓子も、米もタバコも売っているような小さな商店で缶ビールを2本買う。それをもって畑へ下る斜面に腰を下ろし、ビールを開ける。ゆっくりと時間をかけて飲む。真冬の屋外でビールを飲むのはさすがに寒いのだが、これが妙にうまい。それでもやはり、1本は残してしまう。これは帰りのバスか電車の中で飲もうと思う。それがまた、なぜか楽しい。通りがかった老人が怪訝そうな面持ちでこちらを見ていた。

2月21日(土) 寝たきり休日、夜、お好み焼き         文責:タケ
 昨夜、酒飲みの性(SAGA)座談会の後、吉祥寺でワンクッションした頃から、ま、明日は締め切りもないし、などと完全休養を目論んでいたが、実際、その通りになった。呆然としたまま蒲団から出られず、本を開くが読める状態でもないので茶を飲んで、ビデオを観る。それでも集中できないからビデオも止めて、しばらく眠って、また茶を飲んで、昼に蕎麦を茹でて少し手繰ってみるけどうまくもないので、また茶を飲んで仰臥する。休日らしい休日は、夕方までほとんど起き上がることもない、実に有意義な感じで流れていく。夕刻、温めの湯に入って、少しずつ熱くしていく。それで酒が抜けてまた飲めるようになるなんて恰好のいい形にはならない。熱い風呂には長く入れないのだ。早々に出てきて、ビール。ま、こんなものかという程度のうまさ。というのも、なんにもしなかった1日だから、なんというか、ビール飲んでも、お疲れさん、という気がしない。ただ飲んでるだけ。手持ち無沙汰だ。で、ネギを刻む。小麦粉を水で溶いて、挽肉と刻んだネギを入れ、フライパンに薄く伸ばして焼く。両面、焦げ目がついたら完成。七味と醤油を振り掛け、熱いところをハフハフ言いながら口に運ぶ。ビール、もう1本。今度はおっ!という感じにうまい。釣りのテレビ番組を観る。ビールはもう1本。今度は確実に、うまいという感じになる。出掛けた娘たちはまだ帰ってこない。出掛けるとき二日酔いで寝ていた父親が帰宅してみればなおしたたかに酔っている……。この勢いで飲むと、そういうことになる。確実に、なる。『アンジェラの灰』って話がありますが、あそこに出てくるホコリ高きアイリッシュオヤジみたいですよ、こうなると。

2月20日(金) 本業 ヤフオク 千鳥足            文責:ナベ
 第4号の発売から1カ月強。納品や発送、手売りといった作業もようやく落ち着いてきた。こうなると、S氏じゃないが、本業のライター稼業に早く専念しなければいけない。「酒とつまみ」も本業とはいうものの、まだボランティア状態が続いているので、「酒とつまみ」の仕事に没頭すればするほど食いっぱぐれてしまう。まあ、すでに食いっぱぐれているんだけれど、それ以上に極貧街道まっしぐらになるのは間違いない。そこで、本日はヤフーオークションにまた何品か出品した。「どこが本業じゃい!」てな感じだけれど、もちろん単行本の企画などを立てたりするものの、やはりすぐ目の前の生活を考えると、ヤフオクが最も手っ取り早いのである。そのうえ、 昨年の秋くらいからいろいろと出品しているが、意外なモノに値がついたり、値がどんどん上がっていくのを見たりするのも(たかが知れてますが……)、また面白い。楽しめたうえに生活費が稼げるんだから、こりゃもうたまらないのである。とはいえ、そろそろ出品するネタも尽きつつあるので、やっぱ本業に専念すべきね、ハイ。で、夜は四ッ谷のしんみち通りにある飲み屋で、第5号用の「酒飲みの性(SAGA)座談会」。今回は珍しく取りかかりが早いのである。かといって、第5号の発行が早まるかどうかは定かではない。O氏やS氏の他、某社のSさん達も加わり、えんえん3時間ほど飲みながらバカ話。毎号、座談会は楽しいものの、実は、このテープ起こしは本当に辛い。何と言っても、みなベロベロでテキトーなことばっかり話しているし、酔った自分の発言を聞いて情けなくなることも多々あるのだ。まあ、しばらくは忘れよう。帰りの電車内で、そんなことを酩酊頭で考えながら、吉祥寺着。O氏とともにもう一軒行き、さらにベロベロとなる。おまけに、僕だけ、その店のスタッフと常連たちとともにもう一軒。レモンサワーをガブ飲みし、午前8時に解散した。で、いつも以上に制御不能なる千鳥足で井の頭公園をフラフラと突っ切り、何とか帰宅。朝から便器をかかえる人となる。

2月19日(木) 本業 営業 中ジョッキ            文責:サイ
 我々フリー業者は仕事に少しでも隙間が出来ると先々とてもまずい状況になってしまうのである。吹けば飛ぶ様な極小事業主。本日は珍しく本業の営業に回って来た。2軒目に行った制作会社で、なんと「酒つま」の読者と出くわしてしまった。あらかた話が終わった後、実は仲間とこんな本作ってるんですよ、と言って見せたら、そこの若い女の子が「あっ、毎号買ってます」…。本業の話はふっ飛んでしまい、何の為の営業だったのか。編集部に戻りW君に、若い女の子の読者を発見したぞ〜!と報告し、生ビールで乾杯!だ〜。と、思っていたら、すでにW君の姿はなかった。なんでも、知りあいに4号を売りに行ったらしい。仕方なく一人で西口やきとんへとぼとぼと歩くのであった。

2月18日(水) まっすぐ帰れ!                 文責:タケ
 またまた二日酔い。朝飯抜きでチェックアウトの10時までホテルの部屋でへたり込み、出発後は絵描き氏とふたり、ただ帰るのみ。なのだが、帰らないぞ、これが、そう簡単には。まず十和田電鉄で三沢駅へと到着。八戸までのJRの発車時刻を確認するや駅前ラーメン食堂へ突入。酒が置いてないので、注文をどうするか逡巡していると、店のオバサン、酒なら3軒隣に酒屋があるから買ってきたらよろしいという。買ってきました。ビール、日本酒、ポケット瓶のウイスキー。絵描き氏はコマイの干物など数々の酒肴まで買ってきて、干物を店のストーブの上で炙り、オバサンからトンカチを借りてそれを砕き、つまみつつ飲むのである。味噌ラーメンをすすっていたオヤジ客が、俺も酒買ってこようって、店を出ていったのには笑ったね。八戸からは新幹線。日本酒にウイスキーもあるから、キヨスクで求めるのは水。これで万全。東京までの3時間。飲みっぱなし。いや、正確には上野まで。勢いのついた我ら、山手線で鶯谷へ出て老舗の客となり。湯島へ移動して飲み、千代田線で新御茶ノ水までたどり着いて、後は中央線に乗りかえるだけとなってもう1軒、安くてうまくて、雰囲気のいいバーへ寄った。絵描き氏は国分寺、小生は三鷹まで帰る。中央線は西へ向かってぐんぐん走った。そして気付いたのが日野。もう、多摩川を渡ってる。本数も少なくなった上り電車を待つ日野駅のホームは、深夜の十和田市より寒かった。

2月17日(火) 十和田バスターミナルのかけ蕎麦       文責:タケ
 昨夜ホテルへ戻ると、東京からファックス。原稿直せと。もうボロボロだったのでひとまず眠り、起床後チェックアウトまでの2時間でぎりぎりの対応を試みる。なんとかなって、出発。二日酔いで食欲なく、三沢から十和田電鉄で十和田市へ向かう間も、大きく口を開けばオエーっと叫びそうな按配。しかしながら十和田駅に着いてみれば、バスターミナルの立ち食いそばコーナーから立ち上る湯気とうまそうな汁の匂いに抗い難く、かけ蕎麦1杯に大量のトウガラシをぶち込んで一気に食す。汗が出て、水がうまい。おお。元気になっちゃったもんね、という素早い立ち直りでバスに乗ったかって、乗らない。レンタカーを手配して奥入瀬まで走る。雪だよ。危ないよ。でも走る。奥入瀬ではホテルの日帰り入浴が600円と格安で、雪の舞う露天風呂でしばし安息。酒もすっかり抜ける感じで、湯上がりのアイスコーヒーがうまいよ。ビールじゃねえのかって、ビールじゃない。まだ運転があるし、今夜のバー行脚も長くなりそうなのだ。体調の万全こそ、望ましい。で、夜。ばっちり働きました。そして飲みました。深夜、何軒か店を変えるたびに外気に触れるのだが、これがピリリと寒くて目を覚ましてくれる。道は凍り、風も凍り、人気も少なくなった酒場街を、滑らないように気を付けながら歩くのは楽しい。同行の絵描きさんもニヤニヤしながら足を滑らせて遊んでいる。危ないよ、本当に。


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